世間では40歳以上になると公的機関から成人病検診のお知らせが届くなど、身体面の健康に関しては、予防医学に基づく様々な努力が普及しています。ところが精神的な面においては、それがなかなか人の外見からは見えないだけに、問題の大きさが認識されにくい傾向にあります。 例えば、有名な芸能人が精神的な病に掛かったなどのニュースは、人気タレントや歌手、俳優であればあるほど、意外な印象を受けるものです。また一般人であっても、精神的な病により犯罪に走ったなどの報道を見ると、決まって言われることは「そんな事をする人とは思わなかった」という周囲の評判なのです。 さらに調べが進むにつれ明らかになることは、事前に兆候があったにも拘わらず、対処が遅れたために、取 り返しの付かない事件に発展したという事実です。つまりこうした事態で分かる事は、精神的な問題は、いかに周囲からは見えにくいか、また早めに対処することが如何に重要かということです。 現代は、十代から30代にかけての若者のうつ病や引きこもりが、特に問題になっています。これらの人々が必ずしも深刻な事件を起こすとは限りません。しかしその発症がほとんど十代の学校時代に始まることが多いので、特に親の庇護の元にある時期には、身体のみならず、メンタル面の異常を感じたら、周囲の者はできるだけ早めに対処することが肝要です。 |